それでもあなたと結婚したいです。


「ははっ!今は二人きりなんだし、この前みたいに話せよ。」


「そうゆう訳にはいきません。取り引き先の社長さんなんですから。」


「なんだよつまんねーな!………じゃあ、こーしたらどーかな?」


そう言うとコロンと私の膝の上に寝転がった。


「あぁ、いい気持ち~。ムニムニしてて俺好みだ。」


「ひぃっ!!」


(こっこいつ!!)


「ちょっと!!何すんのよ!!人妻だって言ってんでしょ!わざわざ人のモノに手出さなくたって、そのルックスなら引く手あまたでしょ?」


「え~?それって、遠回しに俺が格好いいって言ってんの
?参ったなぁ!」


全然困ってない顔して私の太股の上をゴロゴロ頭を動かしている。

あんまりよく分からない人に膝枕する事ほど落ち着かない事は無いとつくづく思った。


「そんな事言ってない!早くどいてよ!!」


「何そんなに焦ってんの?敏感すぎるんじゃねーの?もしかして………」


ツーっと剥き出しの膝をなぞられる。


「やぁっ………!」


変な声が出てしまって慌てて口を押さえる。

結婚して以来、お預け状態の身体はちょっとの刺激で音を上げる。


「新妻のくせに…俺を誘うの上手いじゃん。」


「違います!!さっさと、どいてください!!」


頭を避けたくても触るに触れなくて、もどかしくワーワー騒ぐしかない。

その間にもただ、面白そうに私を見ながら笑っている。

我慢も限界に達しそうになったその時、前の方から声が掛かった。


「お客さん。着きましたよ。」


「あっ、はいっ!」


天の助けで、私は滑るようにタクシーのドアから飛び出した。