それでもあなたと結婚したいです。


予約していた広い個室は、いつもの接待では中々使わないワンランク上の部屋。

今日の日のために特別に予約していた。

各席には、キラキラ光るナイフやフォーク、お皿の上でピンと立った真っ白なナプキン。

まさに完璧だ。


「白川部長、今日は上手く行きそうですね!」


白川部長は返事の代わりにウィンクを返してきた。


「お客様がお着きになられました。」


客室係に案内され、先方が部屋に入ってきた。


「どうも、どうも!今日はこの様な場を設けていただいてありがとうございます!」


「いいえ。此方こそ感謝します!これを縁にお互い有益な関係を築ければと思っています!!」


「それは有難い事です!」


お互いに正式に名刺交換が行われた。


「そう言えば、もう一人同席される筈なのでは?」


「いや、どうも、気紛れなので来るか分からないので始めましょう!」


「そうですか。………では始めましょう!」


一人の空席を残したまま会食が始まった。

前菜から始まったコース料理は、どれもとても美味しく先方も大いに喜んでくれていた様でひと安心した。

コース料理も後はデザートを残すのみとなり、運ばれてきたデザートは趣向を凝らしたものだった。

丸い大きなチョコに温かいチョコソースをかけると、とろっと溶けて中からアイスケーキが現れる仕組みになっていた。