16歳の秋私は妊娠した。


相手は同い年だった。

生理が来ないのが不安になって
薬局で検査薬を買ってその日に試した。

結果は…陽性だった

夢であって欲しいと何回も思った
でも時間が経つにつれて
線が濃くなった…

とりあえず早く病院行かなきゃ。
私はそう思い2日後病院に行った。

病院について尿検査をして
先生に名前を呼ばれ診察室に入った。
中を見るため器具を入れられた。

そこには赤ちゃんがいた。
とても小さくて…
それでも一生懸命心臓を動かしていた。

先生に「妊娠してるね。」と言われ
その瞬間涙が出た。
何の涙だったのかわからない。
でもただただ涙が出た。

私はまだ高校2年生だった。
夢も持っていた。
私は中絶を考えた。

すぐ処置できるように
血液検査などいろんな検査を受けた。

病院が終わったあと彼氏にあって
妊娠してることを告げた

彼氏は唖然としてた。
すぐに親に謝りに行くと言った。

「もしかしたら別れるかもね」
と話されたとき人目も気にせず
私は泣き崩れた。

そうすると彼氏も泣いていた。

夜になり私の両親に話をしに行った。
殴られるのを覚悟していたけど
親も唖然としていた。

お母さんに「どうするの」と言われ
「おろすしかないでしょ。」と言った。
そしたら泣きながら殴られた

「どうしてそんな簡単におろすとか言えるの」

私はさっきやっと泣きやんだばかりだったのに
また涙が溢れた。

そしてそこで私は本音を告げた。

「私は赤ちゃんを産みたい。
自分達が悪いのに殺すわけにはいかない。
この子のお母さんになりたい。」

涙をこらえ親に訴えかけた。

そうするとお父さんは
「正直びっくりしたけど俺はいいと思う。
ちゃんと育てるんならな。」と言ってくれた

お母さんも
「できちゃったもんは仕方ないから
私は応援するよ。」と言ってくれた。

私は両親に頭を下げた。
人生初めて。
彼氏も一緒に頭を下げた。

彼氏のお母さんはすぐに喜んでくれた。

私達は嬉しくて仕方なかった。


でもこの幸せの時間は
一瞬にして奪われた


交通事故
私はバイト終わり
家に向かって歩いていた。
夜10時を過ぎていたため人通りはなく
車通りも少なかった。
信号が青になったのを確認して
渡っていた。

その時
飲酒運転でハンドル操作を誤った
乗用車に飛ばされた。

冷たいアスファルトの上に叩きつけられ
そのまま意識を失った。

気付けば2日が過ぎていた。
そこは病院だった。
先生が来て事情を話してくれた。

少し動いたとき
お腹に鋭い痛みを感じた。

「イタイ…」

そうすると先生が
「残念だけど赤ちゃん死んじゃってた。」

目の前が真っ暗になった。

「病院についた頃は
まだかろうじて生きてたんだけど…」

私は泣き崩れた。
現実から逃げたかった。
点滴の針を無理矢理ぬこうとした。

お父さん彼氏に止められた。

「やめてよ!」

睨みつけたとき
お父さんも彼氏も目が真っ赤だった。

なかなか目を覚まさない私を
ずっと心配してた。

それでも私は
現実を受け止めることができなくて
また薬で眠らされてしまった。

目が覚めたのは次の日だった。
彼氏が「名前決めようか!」と提案した
私が付けたかった名前「希空」と付けた。
私に産みたいとゆう希望を与えてくれて
天国でも見守っていて欲しい。
空から私達を見守って欲しい。
と言う意味で付けました。

両親にも「いい名前だね」と言われ
今はリビングに最後に撮った
エコー写真と一緒にお菓子などを
飾ってあります。

最後に夢。
私は眠ってるとき夢を見てました。
それは赤ちゃんの夢でした。

「僕はママとパパの所に来れて嬉しかったよ
でも会うことができなくてごめんね。
でもいつまた会いに来るからね。」

と微笑んでました。
この話をすると初めて彼氏が泣き崩れ
嗚咽していました。

希空元気に生んであげれなくてごめんね。
これからも空から見守っててね。
そしてまた会いに来てね。

少しの間だったけど
幸せな時をありがとう。

end