月日は流れた。相変わらずの強さで圧倒的な実力と人気を誇る彩は、プロになって、6年目、24歳になった。陸は5年目で、23歳になった。順調な成績を残し、お互いに軌道に乗っていた。そんなある日、彩はリベンジマッチと題して過去に負けた相手に挑む試合があった。彩は気合いを入れて望んだ試合だが、あっさりと勝ってしまい、呆気に取られていた。彩の認識が間違っていなければ、もっといい接戦になるはずだった。が、あっさり勝ててしまった。あのときとは違い、彩がこの5年の間にかなりに強くなったということを証明した試合になったのだった。
そんなある日、彩は、ボスに相談を持ちかけた。「もうそろそろ引退考えてるんです」と、すると、「まだ早いだろう?6年しか経ってないじゃないか」とボスが言うと、「実は、私もう疲れたんですよ。今まで追う側にいた私は苦しくても夢があって…頑張れた。けど、今は追われる側で…何度防衛しても気持ちが薄れていく。どれだけ努力しても何かが足りないんです」と彩、「そうか。まぁ、お前のことだからな、常に、挑戦し続けたいんだろ?わかってるよ。そんなことは俺が一番、けど、後1年でいい頑張ってくれないか?お前と同じステージに立ちたい。俺は」とボスは言った。「そうですね!少し考えてみますね。栄介ともまだ戦ってないですし」と彩は笑った。
そこに、草津と歩美がきた。「二人とも辛気臭い顔して何の話してたの?」と歩美が聞いてくる。「あーやー、そのー」とボスは言葉に詰まった。「私がそろそろ引退かな?って言ったんです!!」と彩は言った。