「ありがとうございます。

開けても良いですか?」と陸が言うと、

「もちろんよ。開けて」と彩は言った。

陸はゆっくり包みを開けた。

中身は腕時計だった。

「安もんでゴメンね?おこづかいずっと貯めてたんだよね。けど、あんまり貯まってなくて…こんなのしか用意出来なかった」と彩は照れながら言った。

「そんなことないよ!!すっこぐ嬉しい。めちゃくちゃカッコいいし。ありがとうございます、彩さん。俺、めちゃくちゃ大切にします、いえ、宝物にします!!」と陸が言うと、

「大袈裟よ。でも良かった。喜んでくれてありがとう」と彩は笑った。

二人は手を繋ぎ歩き出した。

家に向かって。「今日は楽しかったね。ありがとう」と彩が言うと、

「俺、寂しい。彩さんが足りないです。もっと彩さんと一緒にいたいです」と陸は言った。

「もう、いきなり何いってるのよ!!」と彩が言うと、

「だってぇ~しばらくちゃんと会えなかったから…その…寂しくて。だから今日は彩さんを独り占めして彩さんを思いきりチャージするの!!」と陸は言った。

「確かに…私も寂しかったよ。けど、今日陸に逢えて嬉しかった」と彩は笑った。

「ほんと!?ならもう少し一緒にいよ?」と陸が上目遣いで笑えば、「うん、いいよ」と彩は言った。

二人は方向を替え、歩き始めた。あてもなく二人はただ手を繋ぎ歩いた。

「ねぇ、彩さん、チャージしていいんですよね?なら、ぎゅうさせて下さい!」と陸は言った。

「えっ、あっ、うん」と彩は行って手を広げた。

陸は少し戸惑いながらも彩の胸に飛び込んだ。陸は顔を彩の胸に埋めると、すりすりした。

そして、「彩さん、あったかーい」と陸は言った。

「もう、陸、くすぐったい」と彩は言いながらもなんだか少し嬉しそう。

陸は手を彩の背中の方に回して、彩を思いきり抱き締めた。

「彩さん、来年も、再来年もこれからずっと一緒にクリスマス過ごして下さい」と陸は抱き締める力を強くして言った。

「はい。今度はちゃんと覚えとく」と彩は言いながら、手に力を込めた。

「あのね、いつか一緒にトライアスロンとか参加したいなあ~って思ってるんだよね」と陸が言うと、

「トライアスロン?良いわよ。それまでに体力たくさんつけといてね?」と彩が笑うと、

「もちろんです!!彩さんもです!!」と陸は笑った。

「私達、いつまでこうして抱き合ってるんだろう?」と彩は言って陸から離れようと体をよじるが、

「彩さん、煽ってるんですか?」と陸は冗談ぽく言って、彩を中々離さない。

「そろそろ離して」と彩は強めに言って、陸から強引に離れた。

「ありがとうございました。本当に。今日はいっぱいチャージ出来ました」と陸は言った。二人は家まで手を繋いで歩いて帰った。
翌日、陸も参加して、みんなで練習を始めた。