「俺、これから保健室にドロンするんだけど…君も来る?」


……保健室にドロン?
つまりは、保健室でサボるって事??



「陽当たりいいし、寝心地最高だよ」


へぇ……そうなんだ。だったら、サボるのもいいかも。どうせ、この姿じゃあ、教室戻れないし。


『うん、私も行く』


私は男子を見上げ、ひとつ頷いて見せた。


「じゃあ、行こうか」


すると、男子は私を軽々と持ち上げ、胸に抱いた。


ぎゃー!!高い!怖い!!
人生初の四足歩行だけど、問題なく歩けるから!!



『は、離して!!』


男子の腕でバタバタと暴れていると、男子は小さく笑って私の頭を撫でた。


「大丈夫だよ。俺が守ってあげる」

『!!』


その一言に、私は動けなくなった。私か、何より欲しかった言葉だったから。


「だから、怖がらなくていい」   


それに、私は涙をこぼす。


あぁ、猫の姿でも、涙って出るんだ……