「♪~♪~」


シャーレの中で不規則に姿を変えるベロウソフちゃんを眺めていると、ふと視線を感じた。


「??」


振り替えってみても、誰もいない。
私の、気のせい………?


「そういえば、いつかもこんな事あったな……」


時々、誰かの視線を感じる事があった。でも、私は、非科学的なモノは信じないし、科学者の卵としては、敵だ。


どうせ、猫か匂いにつられたハエとかそういうのに違いない。


そして、また前を向くと……


「ニャアーッ」

「わわっ!!な、何!?」



実験台の上には、一匹の黒猫がいた。黒猫は、もう一度鳴いて、私にすり寄ってくる。


「ここは危ないよ、うっかり薬液がかかったりしたら…」


猫の頭を撫でながら、私のベロウソフちゃんを見やる。すると、あり得ないほど煮えたって、変則に模様を変えていた。




「な、なに!?何が起きたの!?」


まるて、心臓が脈打つかのようにドクドクと震えるベロウソフちゃんは、すでに私の知識では追い付かない未知のモノへと変化している。