ー鈴side


「はぁっ、は!!」


や、ややややばいーー!!!逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ!!!!


『ちょ、君!そんなに走ったら危な……』

「きゃっ!!!」


階段を全速力で駆けたのがいけなかった。私は、一段踏み外し、そのまま落ちそうになる。


その瞬間………


ードキッ!!!


「死ぬーーー!!!」


床に叩きつけられると思ったのに、私の体はみるみると縮まり、軽々と踊り場に着地した。


『あ、あれ…………』



私は以前感じたことがあるような、世界が大きくなる既視感に冷や汗をかく。


そして、それを裏付けるように………



『猫になれて良かったね』

『黒猫さん!!』


あの黒猫さんと目線が同じ。という事は………


自分の体を見下ろすと、私はやっぱり白猫になっていた。



『はぁぁ………、まただ』


というか、今のはどうして………。というか、私は授業に出なきゃいけないのに!!