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ジリリリリリリッ!!!


「ぎゃあーー!!!」


けたたましい目覚ましと共に私は布団から飛び上がる。そして、驚愕した。


「毛がない!!!肌があるーー!!!」


そう、それは見慣れたはずであろう、人間の時の私の体がここにあるのだ。



「でも、どうして?効果が切れたとか……」


昨日は確かに猫の体で、窓から侵入して家に入ったはずだった。でも今は、制服を着た状態でベッドに横になっている。


「意味不明だ………」


ただ、効果が切れたならそれで良かったけど……。本当に不思議な体験だ。


「って、そろそろ学校だ。シャワーだけ浴びてきちゃおう」



自分の部屋から出ると、丁度起きてきたお母さんとはちあわせた。


「あら、鈴じゃない。昨日、いつ帰ってきたの?」


これは、私の母、藤森 蘭(ふじもり らん)40才。父、藤森 音(ふじもり おと)40才と同様根っからの科学者で、今は二人とも製薬会社に勤めている。



「お母さん、今日は時間ギリギリで朝ごはん作れないから、冷凍の食べて」


そう、ご飯もろとも家事は私の仕事で、私がやらなければ、家は3日ともたずにゴミ屋敷になっているだろう。