「一度きりなんて、そんなの悲しすぎるから…また、俺に会いにきてよ」
『!!』
驚きで耳と尻尾がピンッと立つ。
自分の事でいっぱいいっぱいだったはずなのに、この人の事をほっておけないと思ってしまった。
今にも、儚く消えてしまいそうだったから……
『うん!』
だからか、私は強く頷いて返事してみせた。
「ははっ、ホワイトには、俺の言葉が通じてるの?」
そう言って笑いながら、私の頭を撫でる。
「ありがとう」
『!!』
敦賀君のその一言に、私は耳を疑う。
ありがとう?いま、ありがとうって言った??私が?感謝されてるの??
これまで生きてきて、こんな風に人から感謝されることなんてあった?
ううん、遠い昔にあった気がするけど、忘れてしまってるくらいに久しぶりだ。
それほど、私が人に関わってこなかったんだ。


