どんな理由にせよ、
小田切くんと出掛けられるのは嬉しい。

この時の私は何も考えずに
いいよ、と答えた。

『じゃあ〜今度の土曜空けとけよ!』

…あ、その日バイトだ。急に冷静になった私はふと思い出す。

けど今更断れるはずもない。
これを逃したらもうないかもしれないし…
そう思った私はバイトを休むことを決意した。

そんな話をしていると
いつの間にか掃除は終わってしまっていた。

『手伝ってくれたし、ゴミ捨て俺がやっとく!さんきゅー川瀬!』

そう言ってゴミ箱を持って教室を出て行く彼。

教室で彼を待っている勇気もないので
おとなしく下駄箱へと向かう。