【戦後70年】あなたがいた夏



「ありがとうございます…」


私は御礼を言うだけで精一杯だった。



「気にするな。」


そう言う彼にやっとの思いで目を向けた


20代前半ぐらいだろうか、若くて坊主の優しそうな青年が微笑みかけてくれていた。


「顔が赤いぞ、熱でもあるのか?」


彼は私の額にゴツゴツした手を当ててくる


「熱いな、熱があるぞ。」



そして、ゴソゴソと腰に掛けてあった金属製の水筒を私に突き出し


「飲みなさい。水だよ。少しは気分が良くなるはずだ」