「大丈夫だよ〜。どうしたの〜?」


気のせいだったみたい。


いつもの笑顔だ。


「あのっ、食器」


「あぁ〜!僕洗っておいたから、ゆっくり過ごして。」



って言って柔らかく笑った。




"ドキン ドキン"と胸が高鳴る。

私の…ため?



そう思うと嬉しくて…

頬がほころびそうなのを我慢するのが大変だけど、ちょっとだけ、本当にちょっとだけ奥さんみたいな事をしてあげたいって思って


「先生、ネクタイ。曲がってます。」


ネクタイに手を伸ばした。



ほどいて、結び直す。



顔が近くてドキドキする。



それに心なしか、翔さんの顔も赤い。