翔side


「………………」


「………………」


今、輝星夜、なんて言った?
今夜、私を抱いてくれますか?

…………。


「え?!は?!」


やっと反応できたのは、数秒後。



真っ赤な顔を俯かせて、泣いてる輝星夜を見てから。


「無理…ですよね…」


ハハッてから笑いが車に響いてる気がする。


「な訳ないだろ?!」


ちょっと大きい声を出したら、ビクッとして輝星夜の顔が上がった



その涙は嫌涙ではなくて、むしろめちゃくちゃキレイ。



そう思った。



あぁ、愛しいってこういこ事言うんだなって、思った。




だから、壊れ物を扱うように、ソッと、ソッと抱き寄せた。