頭の中も翔で埋めつくされる。



自動ドアを抜けて、タクシーを拾おうと一歩踏み出した時


「うお?!」 「キャッ?!」


誰かにぶつかった。


「……大丈夫ですか?って、本城?泣いてんの?」


泣き顔を見られて恥ずかしくなり

パッと俯いた。


「………どうかしたのか?」

優しく、そう言いながら頭を撫でてくれる神田くん。



今そんな事されたら涙は溢れるばかり。



弱ってる時に優しくされるのってダメだよね…。


「っ。大丈夫っ!ごめんね?」


そう言って再び走り出そうとしたけどそれは無理だった。