そう言って繋いでいた手を離して私から離れた翔。



私はただ悲しくて黙ってその背中を見ていただけだった。








どうして伝わらなかった?
自分が説明してないから。

どうして追わなかった?

ただボーゼンとしか出来なかった。


さっきからこんな事ばかり頭に回る。

そんな時


「輝星夜さん?どうしたの?」


「お義母さん…。」


「あらあら。涙なんて流して。お化粧が台無しよ?」


微笑みながら鞄からハンカチを出して、優しく涙を拭いてくれた。