壁ドン短編



「…ん…」


「…おはよう、有捺…」

「俊…?」


左斜め上から入ってくる朝の光で目が覚めた。
俊がカーテン開けたからいきなり眩しくなった、
そう言う事だろう。


私は暗闇から抜け出したばかりの、
光で視界が朦朧(もうろう)とする目を
こすって開く。


…え?


「…床ドン。
いや、
ベットドン?
…は怪獣みたいな名前だな。」


いま、俊は私の上に四つん這いで
獣みたいにして、いた…


ふわふわしてた頭が一気に
熱くなっていく。


茹でられて(ゆでられて)
貝殻(かいがら)が開くアサリの気持ちが
良く分かる。

心臓が激しく動きすぎて、
胸が、昨日とは別の意味で
張り裂けそうだ。


「…やっぱり、
不意打ちじゃなきゃダメなんだろ?


なぁ、
昨日、というかさっきまで、
…なんの夢見てた?

…カーテン開ける前に
有捺の涙、
拭った(ぬぐった)んだけど。」



あー。





――俺は今までも、有捺とは兄妹(きょうだい)だったけど?


――待って、俊!!


――…お兄ちゃん、だろ?
――兄妹なのに俺を思ってるのが伝わってきて、ウザかったから、その気なフリ、してただけだと、
さっき言ったはずだが?


――お兄ちゃんって呼ぶから…だから…一人にしないで…


――汚らわしいから。