俊は顔が整ってる…
直でいうと、
イケメンの部類って意味。
女の子に囲まれるのは仕方ないけど、
普通、
記憶力のいい妹に、
朝制服着てたの見られてて、
学校休みだって自分が答えたら、
男友達と遊びに。
くらいは言うでしょ?
…わたし達には、
明日から気まずくなる、
なんて言葉は存在しない。
…なぜなら、兄弟だから。
どうしても、何があっても、
話さなきゃいけないうちに
仲直りってことになってる。
だから、単刀直入に聞く。
「…何してたの?
朝っぱらから。」
「……」
俊は何も言わない……
ああ、泣きそう。
なんでこんな人、
一途に思ってるんだろう、私は。
「…私、上に行ってる。
…ご飯は………空いてないから大丈夫。
なんかテキトーに食べてて?」
階段に足をかけると、
後ろから、
「…クラスの女子といた。」
ぐっ
手を握り締めて、
せめて部屋の中に入るまで、
涙をこらえる。
…なんでいつもどおり
お帰りとただいまのキス…
したの?
朝早くから、
ずっと一緒にいたの?
その人と。
私のこと、
好きじゃなくなくなったんじゃなくて
嫌いになったの?
…いつも通り、
喧嘩したあとみたいに、
何事もなかったみたいに
私が振る舞えるとでも思ってるの?
両想いって知る前までは、
学校で先生たちに
悪いとこを見せまいってしてるみたいに、
誤魔化すために、
普通に振舞ってた。
でもさ、
一度両想いって分かっちゃったんだよ…?
怖いよ…
明日の自分が。
俊…
嫌いって言ってよ。
前みたいにお兄ちゃんって呼ぶから。
だから、線を引いて?
…心が張り裂けそうって、
初めて体験した…
両想いって知る前は、
しゅ…お兄ちゃんが
クラスの人に中学校で
告白されてるのとか見たとき、
心はもうちょっと、なんか…
ジンジンした。
でも今は…
薄いビニール袋を
両手で裂かれていってるような、
ズキズキする感じ。
私は、
お兄ちゃんがついてくるのに気づいていながら、
自分の部屋のドアノブに手を掛ける。
「…って言ったら?」


