森の奥の相談所

いつからだなんて覚えてない。

分かったとしても「ずっと前から」としか
言いようが無い。

そう・・・ずっと前から・・・。

でも、見捨てられた日のことは
新鮮に覚えている。

不思議と、涙は出なかった・・・。

「ごちそうさま。」

突然、兄貴がそう言って立ち上がった。

「あら、蒼もう出るの?」

母さんは箸を置いて声をかけた。

「うん、今日は日直だから。」

鞄を持って出ようとした時だった。

父さんが突然口を開いた。


俺が、一番嫌いな言葉を発した。




「今日はテスト返しだったな。」







あぁ・・・もう、嫌だな・・・。