4月の初め。人生で初めてだったかもしれない、と校門の前で空野美咲は思う。


彼女は4月から高校1年になった。つまり女子高生。つまり華のJK。つまりつい最近まで受験勉強に明け暮れていた。


そんな彼女が思っている“人生で初めてだったこと”とはまあ受験のことなのだが。「受験の何?」と聞かれたら「受験というワード」なのか「受験そのもの」なのか...訳がわからなくなったので簡潔に言うと


「あの空野美咲が毎日何時間も勉強した事」だ。(「受験の何?」という質問と噛み合わなくなったが気にしない方がいい)


なぜって?美咲の中学のときの成績を聞けば2割程度の人はわかるだろう。
中間テストの成績、200人中200位(毎年)。期末テスト、200人中200位(毎年)
用はBAKA。バカ。つまりBAKA。バカ。


「でもさ、偏差値が低いところなら美咲でも入れると思うんだけど」と言う人も出てくるだろう。そんな軽く考えてはいけない。


理由を挙げてみると...
1.授業聞いていない。寝ている。
2.テスト勉強していない。


こういうことなのだが...
「いやいや、授業中寝てる人くらい普通にいるし」「テスト勉強しないで挑んでるツワモノくらいいるでしょ」


...確かにいる。しかし、授業中寝てる人でも、最初の1秒とか最後の5分は聞いている。勉強していないといっても、テスト3日前もしくは1日前(直前?)に教科書を見るとかはしている。(していなかったら...忘れてくれ)


こいつの場合、授業の初めの礼から終わりの礼まで寝てる。テストの存在まで忘れている(マジで)。テストの日に「なんで皆勉強してるの?」レベル。