両片想い

女子の部長いないし。
失恋野郎はどっかいっちゃうし。


浜田先輩に話してみよう。
浜田先輩も気づいてるかもしれない。

成長しなくっちゃ。わたし。
もう、あの頃みたいなわたしに
出会いたくなんかない。


「あの、…浜田先輩!今日は
もう帰りますでいっ!
明日からちゃんと友達と来ます!
さよーならっ!」

いつも通り、いつも通り…。

「あ、その挨拶。
懐かしッ……」

あ、やっぱり……
浜田先輩だ…。

わたしは、先輩を見つめ
思い出を振り返る。

背中は丸くなくて
襟足は可愛くないけど
変わったけど
笑った顔はやっぱり浜田先輩だ。


「浜田先輩。
お久しぶりです…
また、よろしくお願いしますね。」


へへへと笑い
体育館を後にした。