うそ。なんであんなに笑ってるの。
あの人も猫かぶりなのかな。
楽しそう………に笑ってる。
さっきと違う顔。
だけどやっぱり背中はたくましい。



「あ。」

「え?」



なにか思い出したように
先輩はこちらに歩き出した。
骨ばった腕を小さく振って歩く。

なんだ!なんだ!

まさかのさっきのこと謝ってくるんじゃ!
急接近ってやつ!?



さてはさっきの私の猫かぶりで
恋に落ちたのかい!少年よ!
いや、青年!