「お兄ちゃん、久し振り!生きてた?」 実家に帰って来たと思ったら、 妹の甲高い声で手荒い出迎え。 「あぁ…なんとかな…父さん達は?」 「皆、お祭りの準備で出掛けたよ!私もこれから彼氏が迎えにくるから♪」 そう言い残すと鼻歌混じりに 奥へと消えていく。 洗面台で鏡を見ては髪型を何度も直している。 今更変わらないよ… 「何か言った~?」 「何も!」 本当、母さんに似て地獄耳。 仏壇に手をあて 今は物置と化してる自分の部屋へ 数年振りに足を向ける。