冷蔵庫を開けて、ビールと 枝豆を取り出す。 食卓の上には“食べてください”の メモ紙とともに夕御飯の準備が レンジでチンして 久し振りの母の味に舌鼓を打つ。 毎日だと飽きるのに たまに食べると懐かしく 何より旨かった。 息子の食生活を案じてだろう 野菜中心の夕飯も 肉好きの俺は箸が進む。 ボーン…ボーン…♪ じいちゃんの形見の柱時計が 低い声をあげながら19時を告げる。 この音も好きな音 箸を口に進める手を止めず 横目で時間を確認する。