それから俺は心に穴があいたような思いで生きてきた
菜緒がいないとこんなに寂しいなんて思いもしなかった
そして俺は感情を表に出さず…いや、出せないまま大学も卒業して就職した
そして就職先に菜央がいた

菜央「高橋君だっけ?教育係の宮本菜央です。わからないことがあったらなんでも聞いてね」
純「なおって言うんですか?どういう漢字ですか?」
菜央「菜っ葉の菜に中央の央だけど…それが?」
純「いえ…」

そして3年後、菜央に告白されて交際し始め、その3年後結婚した。プロポーズも向こうからだったけど5歳も年上だったし菜央は積極的だったからまあいっかと思った。未だに好きすら言ってない。当たり前だ。俺が好きなのは菜緒であって菜央じゃないんだから。
そして菜央は菜緒のことを知らない。俺も言おうとはしなかった。言っても不安にさせるだけだし、知らないほうが幸せだと思ったんだ。
菜央と結婚して心の穴が少しは埋まるかと思ったけど、埋まらなかった…。むしろ大きくなっていった…。ああ、菜緒を裏切った罰なんだと思った。