やっと公園の表示が見えてきた。案の定菜緒はブランコに腰掛けていた

菜緒「…純、どうしてここに?」
純「菜緒、喧嘩するといつもここに来てただろ。ったく何年幼馴染やってると思ってんだよ」
菜緒「…なんで咲の告白断ったの?咲は可愛いし優しいし頭もいいしなんでもできるのに…」
純「確かに、あいつはいいやつだしなんでもできるけど…」
菜緒「だったらなんで?1年以上も前から好きだったって聞いたんでしょ?」
純「…俺は、転校してきたときからずっと、素直じゃない、女らしくもない幼馴染のことが、…お前のことが好きだからだよ!」
菜緒「え?」
純「…もういいだろ?帰んぞ」
菜緒「嫌。一人で帰りなさいよ」

菜緒はそっぽを向いた。
…いつも人の目を見て話す菜緒がそっぽを向くのは恥ずかしい時と嬉しい時だ。

純「バーカ、照れてんじゃねーよ」
菜緒「て、照れてなんかない…」
夕陽に写った俺らの影は口元で重なった