【短】初恋ラビリンス


あれからどれくらい楽しんだんだろう?

射的もしたし、金魚すくいだってした。

屋台を全制覇しちゃったんじゃないか ってくらい遊び回った。

とにかく私は 右手にわたあめ 左手には焼きそば。
それくらいは楽しんだ。

時間が過ぎるのが分からないくらい楽しかった。



それは陽と一緒にいたから

というのも理由の一つだろう。


それだけ陽は私の気持ちの中での割合が大きい。


「陽!」

後ろで 夏祭りを楽しみすぎていた私に呆れていたであろう陽の方を振り向いて一言。

「今日はありがとう!」

「どうした、急に」

「夏祭り、一緒に来てくれて!」

「...あぁ それは俺のセリフ」

クスッと笑って陽は言った。



なら、私も最後のセリフを言いましょうか


「さぁ、あとは帰ろう?」


楽しい時間はもう終わり。


ハッピーエンドかバッドエンドかは分からないけど、私たちの物語のエンディングへ向かいましょう?