「あ、佐久間くん。」
階段を上がろうとしていると、後ろから声をかけられた。
振り向くと、花衣先生だった。
「佐久間くん、市川さん見つかった?」
「いえ・・・今から屋上に行こうと思ってます。先生も見つかってないんですよね?」
「ええ・・・私もちょうど屋上に行こうと思ってたのだけど・・・体調崩した生徒が出てきてね、その子の事見てなきゃだから、保健室に戻らなくちゃいけないの。」
「そうなんですか。でも、大丈夫ですよ。俺1人で探すんで。」
俺がそう答えると、花衣先生はにっこりと微笑んだ。
「ありがとう。もし彼女が見つかって体調悪そうだったら、すぐに連れてきてあげてね?」
「はい、先生も探すの手伝ってくれてありがとうございました。」
先生はそのまま去っていった。
(さて・・・と。屋上にいくか・・・)
俺は屋上に続く階段をのぼる。
階段をのぼると、扉があった。
扉を開けば屋上なのだが、俺は少し扉を開けるのを躊躇っていた。
何だか、嫌な予感がしたのだ。
具体的に何なのかはよく分からないが。
(って、何躊躇ってんだよ・・・俺。早く市川さんを見つけなきゃいけないんだから。)
自分に言い聞かせ、扉を開けた。
