星子さんが…城主の子?
そう考えると、あの日、江戸城へ行くと決まった日に光英さんと話していた何かも想像がつく。
…たぶん光英さんは、星子さんの事情を知っていたのだ。
つじつまが合ってしまうと、逆に混乱する。
……彼女は『暗殺者』でありながら、『元姫』でもあったなんて。
呆然とする俺に、斎藤さんはこう言ったのだ。
「山崎は…星について何か知っているか?」
「え…」
こういうとき、斎藤さんに隠し事を出来る者はほとんどいない。
彼はいつも真っ直ぐ目を見て話す。その目は…なぜだか自分を見透かしてるような気がして……
俺もその一人になる。
「お話します……『星子』という女性のことを。」
俺は、斎藤さんに全てを話したのだった。