私の口からその言葉を聞いた山崎さんは固まった。
そこにはもう、『新撰組の星』はいなくて、『暗殺者の星子』がいた。
そして、山崎さんが固まっている隙に光英が蹴りを入れるところを、ただ見ているだけだった。
山崎さんは倒れこんだ。もう数時間は立てないだろう。
それくらい光英の蹴りは強い。
「じゃあ、山崎さん。今までお世話になりました。」
貼り付けられた笑顔で、私は山崎さんに言っていた。
あなたにバレてしまった以上、あなたに会うことは二度とないだろう。
その言葉は山崎さんに別れを告げる。
山崎さんの横を通り過ぎるそのとき…
「…星…子…さんっ」
「………っ」
小さく聴こえたその声を、私は気づかないフリをしたのだった。