「貴方みたいな方がどうして此処に?
なぜ俺たちに会いに来たんです?」
光英も短剣に手をかける。
美夏さんはそれにも動じず、淡々と話し続ける。
「『会いに来た』?…笑わせないで。
私はあなたたちを…
殺しに来たの。」
その目は本気だった。
でもその目に私たちが怯むことはない。
「貴方こそ、私たち2人に1人で勝てるとお思いですか?」
すると彼女は渇いた笑い声をあげた。
「無理に決まってるでしょう。
でも…策くらい考えるものよ。
この指を鳴らせば、男たちがやってくるわ。そして…あなたたちは斬られて終了。
…ここが墓場よ!!」
そう言って振り上げられた腕の先。
しかし、『パチン』といい音は鳴らず、耳を塞ぎたくなるような鈍い音が部屋に響いた。
「〜〜〜〜っあぁ!!」
「その策を使えなくするまでだ。」
その低い声は、いつもの光英のものではなかった。

