「星子…!!」




部屋を出た瞬間、振り下ろされたそれは見覚えがあった。

はらりと私の髪が少し落ちた。










「流石ねぇ。今の剣を避けられるなんて。」



真っ赤に彩られた唇は、鞘に付けられている飾り物と同じ色をしている。







「貴方も、相変わらず気配の消し方は一級品ですね。」





彼女は美しい。その美貌を生かし、色仕掛けの暗殺も得意として『いた』。




「お久しぶりです、美夏さん。」




…彼女は『元暗殺者』だ。