会合中、彼と目が合うことはなかった。



…それでいい。私のことなんて見なくていい。


ただ母を心のどこかに置いて、今の妻を愛してほしい。



それに私は母と瓜二つ。私のことなんて見てしまえば、彼は取り乱してしまうだろうから。






会合が終わり、宴会となった広間から私は姿を消した。



…最後、ちらりと父を見やると…私は目を閉じた。


目を開いたそのとき、もう彼は私にとって江戸城の城主でしかなくなったのだった。