……いや、わかってる。あなたに怒りをぶつけてもしょうがない。


あなたは悪くない。あの老中が悪いの。
…現に今、あの老中がいなくなった城は平和だ。



でも、私が幼かったあの頃では…母さまを救えなかったの。
あのとき母さまを救えたのは……あなただけだったの。





やるせない気持ちだけが心を渦巻く。
…握りしめ過ぎた手から、また血が流れそう。






それに気づいてか気がつかないでか、彼女はこう言ったのだ。










「そのとき、私思ったの。


『2番目いいわ!焦らされてる感じが堪らないもの…!』

ってね。」