「…山崎、さん?」
…俺は引き止めて何を言うつもりだろう。後先考えずに、星子さんの細い手首を掴んでいた。
「あ……えーーっと…。」
引き止めておいて、何を言っていいのかわからない。我ながら情けない。
とりあえず、今思っていることを言ってみることにした。…言葉数少ない俺にはそれしかできない。
「…笑ってくれ。」
その言葉に、驚いた顔をする星子さん。
そして…
「怖い顔してました!?」
と、俺に掴まれている方の手とは違う手で、顔を覆った。
「い、いや!怖くないぞ!?…でもなんとなく、悲しそうな……いやいや、俺の目が悪くなったのかもしれない!!」
どどどどどうしたらいいんだ…!?
どう弁解すれば良いかわからないままわたわたしていると……
「…ぷっ」