おぼろ月が星子さんを淡く照らす。 夜空を見上げる星子さんは…いつもと雰囲気が違っていた。 心臓がうるさいほど音を立てる。 ……星子さんは、綺麗だ。 肌は白くて、雪のよう。その肌に似合う色素の薄い茶色…とまでもいかない長くさらさらした髪。 二重の大きな瞳は、笑うたびいつも細められる。小さな唇は赤い。 華奢な身体からは考えられないくらいの力強い剣術。 こんな容姿で『男』だと通っているのは、もう奇跡だ。