「…何だっていうんだ。」
なぜ、母さまがあんな思いをしなければならなかったのだ。
奴がいなくなった今、みんなはこんな風に生活できているのに…!
なぜ母さまだけが、あんなつらい思いしなければならなかったんだ!!
唇を噛む力が強くなりすぎて、血の味がしたのがわかった。
考えれば考えるほどに腹が立つ。
……自分自身にも、腹が立つ。
あのとき、自分が母さまを救えればよかっのに……。
でもまだまだ小さかった私に、大人相手にそんなことができるはずなかった。
「……おい、星。何て顔してんだ。」
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