そう考えていた私に、光英は言った。
「なになに?俺のこともっと教えてほしかったりする??」
ニヤニヤしながら聞いてくる光英は実に気持ち悪い。
さっきまでの気持ちも冷めてしまい、「聞きたくないわハゲ」とだけ言ってその場をおさめた。
「星さんはどこ出身?」
沖田さんは私のことを忘れていなかったようで聞いてきた。
「僕は江戸なんですよ。」
「え!そうだったの。」
沖田さんは意外だったようで驚いていた。
ま、江戸っていっても城から出たことはほとんどなかったんだけどね。
1歩1歩、江戸に近づいてる。
また城に行くことになるなんて思わなかったけど…。
久しぶりに、父親の顔を拝んでやろう。
誰にも気付かれずに、私はたぶん暗殺者の顔に戻っていた。

