「…いっ……おい星!」
「……っ、ごめん。」
我に返ると、握りしめた拳からは少し血が滲んでいた。
「お前、江戸城行くのやめるか?」
光英は心配そうに私に言った。
でも私は首を振る。
「…行くよ。確かめたいこともあるしね。」
すると光英は、「わかった」とだけ言って廊下から私を部屋に戻した。
部屋に入った私は、懐に入っているあるものを出した。
チャリンと音を立ててそれは出てきた。
「…母さま。」
それをぎゅっと握りしめ、私は眠りについた。
…廊下での内容を、山崎さんに聞かれていたとは知らずに。
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