そのまま部屋を出ると、『暗殺者』は終わりだ。
上げていた髪を下ろし、下の方でお団子にし、顔を隠すための口元の包帯もとり、着物に着替える。
「いつも思うが、女はちょっと変えただけで一変するなぁ。」
「そう?…よし、これ『お団子屋の星子ちゃん』完成〜!」
私が情報収集として日中働いているのはお団子屋の『さくら』。
その名の通り、桜餅が1番人気のお店。
私もよく食べるが、何度食べても飽きないのだ。…不思議なことに。
「凛太朗さんって、お餅の神様?」
「いきなりどうした?頭打ったか?」
光英のツッコミをスルーするのはお決まりだ。一々気にしていられない。
凛太朗さんとは、さくらでお餅を作っている職人さんだ。