新撰組のみなさんに会ってから、色んな優しさに触れた。
…そんな今ならもう、
「あの人を、もう一度『父親』として見れそうなんです。」
私は笑ってそう言った。
その笑顔に偽りを感じなかったみなさんは、「そうか。」と納得した。
山崎さんも…隣で優しく笑ってくれた。
「迷惑ついでに、もう一つお願いしたいことがあるんですが…」
私は組長の方に向き直って言った。
「迷惑なんて最初から思ってないさ。…で、その願いとは?」
私は、いくら彼らの優しさにつけ込んだだろうか。
…そんな彼らに、少しでも役に立ちたい。
そんな思いから出てきた言葉だった。
「私を…『新撰組』の名目で、江戸城に引き渡してくださいませんか?」

