「星子はどうしたい。」
斎藤さんが私に聞いた。
事情を全て知っている今、母さまの遺書を見ても無理に私を江戸城に帰そうとは思わないのだろう。
…でも、私の答えは決まってる。
真っ直ぐに斎藤さんを見つめ、はっきり言った。
「江戸城に帰ります。」
「…それで、お前自身は大丈夫なのか。」
斎藤さんが心配そうに聞いてくる。
……どうしてこうも、裏切ったやつなんかにこんなに良くしてくれるのだろうか。
元々の人柄もそうだけど、こうするのを当たり前にさせているのは、紛れもなく『新撰組』という集まりだろう。
「これが母さまの願いなら、私はあの人の側に、母さまの分までいることにします。
……それに、」

