…正直自ら進んであの人の側にいようとは思わない。


あの人が悪いわけじゃない。
全部あのくそ老中のせいなのだ。



…それでも父が、徳川慶喜の言葉1つであの老中をどうにでもできたのに!




知らぬ間に拳に力が入る。




するとその手がふわりと包まれた。




「山崎さん…」



山崎さんは優しく手を撫でて、



「綺麗な手なんだから。」



と言って、手に血が滲まないように、私と手を繋いでくれた。



そんな様子を沖田さんはニヤニヤしながら見つめる。

山崎さんは沖田さんを軽く睨みながらも、繋いだ手は優しかった。