「…本当に、姫なのか。」



組長が静かに私に尋ねた。私は「はい」とだけ答えて、あるものを取り出した。




「…これが、決定的な証拠ですかね。」




「…!これは…通行証!」





見せたのは、江戸城に入るための通行証。
これを持てるのは一部の人間のみ。

私の通行証には、自分の生年月日と名前が刻まれていた。




「……はぁ。そうなのか。」




組長が深く息をつく中、私はちらりと他の人たちを見やる。



土方さんは相変わらず難しい顔。それに対して沖田さんは少し楽しそうだ。