な、なんてことを言うんだこの人は!
お互い顔が赤く染まる。
『いい気はしない』って…そんなこと言われたら、自惚れちゃいますよ…?
山崎さんには敵わないなぁ。
そのあとも話を進めていると、昼過ぎには屯所についた。
門をくぐり、屯所内へ入ると、新撰組として活動した日々が懐かしく思える。
そんなに日は経ってないのに…。
この数カ月間は、本当に色々あったな。
廊下を進み、組長の部屋の前に。
…さすがに緊張してきた。
何を言われるかわからない。ましてあの日以来だ。
どの面下げてって感じだろう。
顔がこわばっていたのだろう。
山崎さんが、ぽんっと背中を叩いてくれた。
「山崎さん…?」
「大丈夫だ。」
またもその言葉に肩の力を抜かされる。
…そうだ。大丈夫。隣には山崎さんがいてくれる。
あんなひどい仕打ちをしたのに、それでも私をわかろうとして追ってくれた彼がいるのに、私がこれではだめだ。
息をふっとはいて、山崎さんを見上げた。
私の表情を見て、山崎さんも微笑んでくれた。
…そして、襖が開いた。