朝。私たちは支度をして、まだもう少し距離のある屯所まで向かう。
歩いている途中に聞いたのは、『私を捜しているのは山崎さんだけでなく、新撰組の皆さん』だったという事実。
私に伝えたいことがあるらしい。
…もう私は、『暗殺者』として認識されている。そんな私に何を伝えようというのか。
そのことに関しては、私も山崎さんもお互い口を開かなかった。
「…光英も捜してるんですか?」
ふいに聞いてみた。私自身、光英の行方は知らないし、主にも聞いていなかった。
…それが、『仕事以外では関わらない』という組織内での当たり前だったから。
「いや、光英には関係ないことだから。捜していない。」

