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「……本当に、落ちないのか?」
「落ちませんよ、たぶん。」
今私たちがいるのは…四方八方淡い薄紅色の囲まれた桜の木に登ったところ。
そう。私の寝床というのは、桜の木だった。
ここなら襲われることもないだろうし、何よりこんなに綺麗だし。
それに…
「近くの枝に足をかけていれば大抵落ちることはないですよ。
それに枝が多い木なんで、仮に落ちてもどこかに引っかかりますよ。」
「…し、信じるぞ?」
そう言って大きな枝に腰かけた山崎さん。
私も別の枝に腰掛ける。
見上げると、桜の隙間からは星が覗いていた。
…なんて綺麗なんだ。
今日はたくさん綺麗なものを見た。
それは全部、山崎さんのおかげだ。
「ありがとう。山崎さん。」
…たぶんもう寝てしまったであろう山崎さんに声をかけ、私も眠りについた。

