「…生きてきた中で、一番幸せだ。」
「大げさですよ、山崎さん。」
笑って返すと、山崎さんが桜の花びらとともに、月と星の明かりに照らされていて…
私はきっと、この瞬間を一生忘れないだろう。
「…星子さん、そんな見ないでくれ。」
「へ?…あっ、ごめんなさい。」
思った以上に見つめていたらしく、山崎さんの頬は夜だと言うのにはっきりわかるくらいに赤い。
…山崎さんらしいな。
そう思うと、思わずくすりと笑ってしまった。
そして再び顔を上げたときだった。
「 」
音もなく、彼は私の唇に触れた。
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