どこまで走ってきたのだろう。
もう空には月が出ていて、星も輝く見事な夜空が広がっている。
私も山崎さんも息を上げている。
……それでも、走ることはやめず、手は強く握られたまま。
…もう、何なんだろう。彼は一体何がしたいのか。
『一緒に帰る』?…それは屯所に?
今更何をしに帰るのか…。
まさか、光英も誰かに連れられて屯所にいるのだろうか…?
聞きたいことはたくさんあったが……とりあえず…、もう……
「は…ぁ、山崎…さんっ、そろそろ、はぁ、足が悲鳴を…っ」
「はぁ、はぁ、…すまない。……もうそろそろ、見えてくるはずだ。」
暗殺者だし、それなりの体力はあるけど…!さすがに1時間も走り続けるなんて!
山崎さんって…何なの…!?
てか新撰組ってこんなのばっかり!?
走りすぎて正常な思考が回らない私は、頭の中で文句を並べる。
すると、山崎さんが足を止めた。

