それから落書きさんとは何度かやりとりをして仲良くなった。お互いに顔は知らないもののそれ以外はなんとなく知れてきた。なんと驚いたことに落書きさんは男性だった。字の感じや口調からてっきり女の人だと思っていた私にとってそれは衝撃の事実だった。聡さんと言うらしい。顔はどんなだろうか、歳は27と言っていた。ひと回りも違うが大人なイケメンであることを願う。


聡さんは花屋の店長らしい。案外志穂のお店の人だったりして笑
今度遊びに行っちゃおうかな。


最初の方は一緒に聡さんとのやりとりを楽しんでいた志穂だが2人だけのやりとりだから私はもう見ないね。などと謎の気をきかせて今は見ていない。なので私も聡さんのことを志穂に話したりはしない。気になるかもしれないと思ったから。


いつか聡さんに会えるのだろうか。
どんな人だろうか。
もし会えたらどんな話をしようか。

最近の私は少し変だ。
聡さんの事ばかり考えるようになった。
これでは恋する乙女ではないか。

恋？いや、違うか。顔も知らない人を好きになったりはしない。第一今まで付き合った人に対する気持ちと少し違うではないか。

“ これは好奇心だ ”

そう言い聞かせる日々が続いた。